様々なメディアで筋肉に関する知識を蓄えたトレーニーでも意外と知らない大事なワードがあります。
それが、「酸化ストレス」。
昔から乳酸という言葉はメジャーですが、酸化ストレスはさほど知られていません。
医学的にもかなり重要とされているので、これを機に酸化ストレスについて学びましょう。
厚生労働省によると、酸化ストレスというのは活性酸素の産生が抗酸化防御機構を上回った状態のことを指すそうです。
活性酸素とは
呼吸により体内に取り込まれた一部の酸素が、通常よりも反応性の高い「活性酸素」となります。
変化する原因は外部からの刺激などで、哺乳類では取り込んだ酸素の数%が活性酸素に変化するそうです。
活性酸素は細胞伝達節や免疫機能として役に立ってくれる反面、過剰に産生されると細胞傷害を引き起こして、がんや心臓系の病気、生活習慣病などの原因となります。
がんの原因になると知っていた人は多いんじゃないでしょうか。
私も詳しく調べるまでその印象があったので「活性酸素=悪」と思っていましたが、いい働きもしてくれるんです。
白血球から生まれた活性酸素は免疫機能や感染防御も担っているので、活性酸素を無くすとそれはそれで困るんですね。コロナにもすぐに感染してしまうでしょう。
抗酸化防御機構とは
その名の通り、活性酸素が過剰に産生されないようにしたり、ダメージの修復・再生を促します。
これは私達の体に備わっている機能ですが、カテキンなどの抗酸化物質を摂取することで作用する外因性のものもあります。
だから、緑茶は抗酸化作用があって健康に良いってよく聞きますよね。
毎日1杯飲むと健康長寿で長生きだと日本人の長寿に深く関わっているとされています。
このバランスが崩れた状態が「酸化ストレス」
というわけで、私達の体では普段はうまいことバランスが取れているんですね。
ただ、紫外線、放射線、大気汚染、たばこ、酸化された物質(揚げ物や加工食品など)を摂取することで体内の活性酸素が過剰になり、バランスが崩れることがあります。
その状態を「酸化ストレス」といいます。
ここからが大事なのですが、実は過度な運動も活性酸素を大量に産生し、酸化ストレスを引き起こす原因となるのです。
筋トレ的にも酸化ストレスになるとダメなの?
酸化ストレスになると細胞傷害を引き起こして、がんや心臓系の病気、生活習慣病などの原因になると説明しましたが、筋トレ的にも嫌なことが起こります。
酸化ストレス状態になると、筋肉のタンパク質が酸化されてしまい、その筋肉がもともと持っている力を十分に発揮できない状態になってしまうのです。
しかも以下の研究によると、酸化ストレスは筋肉の分解を促進することまでわかっているんです。
いわゆるカタボリックの状態ですね。
つまり、いつまでたっても筋肉が大きくならないし持ち上げる重量も伸びないということ。
筋肥大しないというのはトレーニーにとって泣きたくなるくらい絶望的なことですよね。
過度な運動とは
具体的になにをやめればいいのかというと、
- 毎日、同じ部位のトレーニングをする
- 筋肉痛があるのにその部位のトレーニングをする
- 毎回毎回限界以上に追い込む
です。
大会で優勝を目指すビルダーやフィジーカーにとって毎回追い込むというのは当たり前かもしれませんが、これは一時期流行った山本義徳さんの101理論にも通ずるものがあります。
彼は毎回毎回限界以上に追い込むよりも少し限界を超えるくらいにしておいて、その部位のトレーニング頻度を高めたほうが良いと提唱していました。
まさに酸化ストレスを回避するにはベストな方法だと言えるでしょう。
101理論をまとめた記事もあるので是非一読お願いします。

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