筋肥大に有効なインターバルと負荷とは?

コラム
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一般的に筋肥大に有効な負荷は1RMの80%くらいの重量(8RM)だとされています。
ベンチプレスのマックスが100kgなら80kgを8回前後を3セットこなすのが筋肥大に効果的だというのが一般的です。
どの筋トレ情報サイトや指南書を見ても大体そう書いてあると思います。

実は、研究ではそうではないことがわかっています。

2016年に順天堂大学の教授らによって発表された論文があります。
「Effects of rest intervals and training loads on metabolic stress and muscle hypertrophy」というタイトルで、インターバルと負荷が筋肥大にどのような影響を与えるのか研究したレポートです。

実験では20人の被験者を集めて、10人ずつ2つのグループに分けました。(被験者の性別は明記されていませんでした)
1つのグループでは20RMの低負荷でトレーニングをしてもらい、セット間のインターバルは30秒と短く設定。
もう一方は、8RMの高負荷で、インターバルは3分間と長めに設定。

この条件で8週間トレーニングをしてもらい次の数値を計測しました。

・上腕の断面積をトレーニング開始前と8週間後の実験終了後で比較。
(トレーニングメニューも明記されていませんでしたが、上腕を測定していることから上半身のトレーニングがメインだったと考えられます)
・成長ホルモン、筋肉の厚さの数値を1回のトレーニングの前後で毎回計測。

結果
上腕の断面積は高負荷でも低負荷でも著しく大きくなった。
しかし、1回のトレーニング前後の成長ホルモンの数値と筋肉の厚さに有意な差が見られた。
低負荷(インターバル短)の方が圧倒的にそれぞれの数値が高かった。

インターバルの短さと低負荷で追い込むことにより、代謝ストレスを受けて筋肥大が効率的に起こると結論付けられました。
代謝ストレスとはグルコースやアミノ酸など,細胞が生存・増殖するために必要な栄養素が不足することでひき起こされるストレスのことです。

さらに、ニューヨーク市立大学のSchoenfeld, Brad J.らが2015年に同じような実験を行っています。

長期的にトレーニングを行っている若い男性を18人集め、ランダムに高負荷グループと低負荷グループに分けました。
こちらの実験ではインターバルに変化はつけていないようです。

トレーニングは週に3回、8週間行われ、7種目、それぞれ3セットずつのメニュー。

低負荷グループは1セット25~35回
高負荷グループは1セット8~12回

 

結果
高負荷グループのスクワットとベンチプレスのマックス重量が著しく上昇した。
低負荷トレーニングを行った被験者たちの上半身の筋肉の筋肥大が高負荷グループに比べて優位な差が見られた。

この実験結果から導き出されたことは、高負荷は筋力増強に適しており、低負荷は上半身の筋肥大に有効であるということです。

これらの研究でも分かる通り、実は世間のイメージとは逆で、低負荷で限界の回数をこなし、しっかり追い込んだ方が筋肥大には効率的なのです。
インターバルも短くすればさらに効果的と言えるでしょう。

レポートには食事やプロテイン補給などの栄養関連には触れていませんでしたが、筋肥大に必要なだけの十分なタンパク質は摂取していたと思われます。
また、トレーニング頻度も低負荷だからといって毎日同じ部位を鍛えるようなこともしていないと考えるのが妥当でしょう。

目的別に負荷をコントロールするのも理想のカラダづくりのコツです。

参考文献

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